7/20から8/7までは、「夏の土用」です。
土用といえば、夏の土用の丑の日が有名ですが、
実は土用はそれぞれの季節にあります。
土用というのは季節の変わり目で、
立春、立夏、立秋、立冬の前、それぞれ18日間程度の期間のことです。
変わり目というのは、気温差が大きかったり、気候も変わりやすく不安定だったり、
変化への対応が必要となり、何かと不調や不具合が起こりやすいものです。
変化はお腹に一番影響を与えます。
お腹というのは、漢方的には「脾」です。
簡単に言ってしまえば、胃腸です。
土用の時期は、胃腸に負担がかかって調子を崩しやすいのです。
具体的には、胃弱、腹痛、下痢、口内炎などの口周辺の症状、冷え、手足のだるさや痛みなどが起こりやすくなります。
この時期は、「腹八分目」を特にこころがけ、胃腸に常に余力を残しておきましょう。
それにはよく噛むことです。
よく噛むと、脳がきちんと食べたことを認識し、過食を防ぐことができます。
さらに、よく噛むと唾液と食べ物がよく混ざり、
脳から出る「これからこんな食べ物が入ってくるよ」という合図も消化器に伝わって、
消化吸収が良くなります。
また、水分はできるだけ温かいものをとること。
冷たいものは胃腸を冷やしてしまい、胃腸の動きが悪くなります。
それから、食事中に水分をガブガブ飲まないようにしましょう。
胃酸が薄まって消化が悪くなりますし、食べたものを噛まずに流し込んでしまうことにもなります。
次の季節に向けて、いかに土用の間に身体をととのえることができるかがポイントとなります。
土用の時期はくれぐれも無理をしすぎないように気を付けましょう。
ちなみに、今年の土用丑の日は7/30(日)です。
土用の丑の日にウナギを食べるのは、
精力のつくものを食べて夏を乗り切ろうという江戸時代に広がった文化です。
ウナギを食べる元気がないようでしたら、
胃腸がすでに弱っています。
弱った胃腸でいくらウナギを食べても、しっかりと消化ができず逆に体の負担となってしまいます。
無理に食べず、腹八分目にしてよく噛んで消化の良いものを食べましょう。
脾を補う良い食材は、
黄色くて、自然な甘味のある食材です。
いも類、豆類、かぼちゃなどを意識して食べましょう。
胃腸を元気にする漢方薬や天然サプリもおすすめです(^^)
(有野台薬品・漢方健康薬剤師 井上満弘)