今日5月5日は、二十四節気のうちの一つ、「立夏」(りっか)です。
この日から立秋の前日までが、暦の上での夏です。
山々に緑が目立ち始め、夏の気配を感じ始める頃です。
新緑がまぶしく爽やかな気候が続きます。
気候の影響による体のトラブルは少ない時期ではありますが、
反対に出てくるのが「5月病」です。
入学、就職、異動、転居など、年度替わりの4月から始まったさまざまな新しいことが
一段落つく5月頃に出てきやすいことから、5月病といわれます。
症状としては、不眠、疲労感、めまい、食欲不振、胃痛、やる気が出ない、動悸、息切れなどがあげられます。
4月に始まった変化に対し、1か月はなんとか頑張れたのが燃え尽きてしまったり、張り詰めた糸がプツンと切れてしまったりすることで、
精神的な疲れが一気にどっと出てしまうわけです。
休みを充分にとる、リラックスや気分転換をする
ということが一番大切ですが、
漢方的には胃腸をいたわることを考えます。
元気、やる気の「気」は胃腸で作られます。
そのため、胃腸が弱っていると気が作られず、
元気ややる気が出なくなってしまいます。
当然ながら体が気を作れないのに、元気ややる気を出そうと思ってもなかなか出ません。
体の側で気をしっかりと作れるからこそ、元気ややる気は出るのです。
「気力」というと気持ちだけでがんばるイメージがありますが、それは間違いです。
気は胃腸で作られるエネルギーなので、
胃腸がすこやかであってこそ気力を発揮できるのです。
立夏の前の時期は、土用という季節の変わり目で、胃腸が弱りやすい時期です。
精神的な燃え尽きだけでなく、胃腸で気が作られず、体のほうで心が支えられなくなっているから、
不調が怒涛のように襲ってくるのです。
「心身一如」というように、体と心は常に一つで互いに影響を与え合っています。
体のほうからもアプローチしてみて下さい。
胃腸も休ませてあげましょう。
食べ過ぎないこと。
無理やり頑張っていたストレスを甘いものやお酒、ドカ食いで解消してきた人ほど、
胃腸はダメージを受けてしまっています。
プチ断食もおすすめです。
ただし、断食は酵素飲料をとりながら行うことをおすすめします。
何もとらずに断食をすると低血糖を起こし余計に体調を崩すことがあるからです。
腸-脳相関といって、腸と脳はつながっていることが現代医学的にも解明されてきています。
腸を整えることで脳も整います。
発酵食品を食べて腸を整えましょう。
酵素飲料も発酵食品です。乳酸菌製剤などの助けを借りることもおすすめです。
今日は「こどもの日」、「端午の節句」でもありますね。
しょうぶ(菖蒲)を入れたお風呂、しょうぶ湯につかることで、暑い夏を無事に乗り切れる、といわれています。
菖蒲は香りが強いので、その香りで心身ともにリラックスすることもできます。
ちまきを食べることは、邪気を払い、病気や厄を避けるという意味があります。
柏の葉は神が宿っているとされて神聖視されているうえ、新芽が出ないと古い葉が落ちないことから「家系が絶えない」縁起の良い植物とされていて、柏餅を食べる習慣もあります。
子供の健やかな成長を願う1日です。
GW最終日、よい休日をお過ごし下さい(^^)
(有野台薬品 漢方健康薬剤師 井上満弘)