私たちの体は、外から入ってくる「異物」にとても敏感です。
薬の多くは石油から作られた化学合成物質で、体にとってはキケンな異物です。
本来の自然な体内バランスを乱す侵略者です。
体には細菌やウイルスなどの病原菌や異物を攻撃・排除したり、同じ病気に二度とかからないように働いてくれる「免疫システム」が備わっています。
ところが、身を守ってくれるはずの免疫が、食べ物、花粉、薬などに過剰反応して我が身を攻撃することがあります。
これが「アレルギー」です。
たとえば、花粉症は花粉に対して過剰反応して、あれほどひどいくしゃみや鼻水が出るわけです。
そして、「アナフィラキシー」というのは、激しいアレルギー症状です。
ある実験で、犬に少量の毒を注射したら、最初は平気、後日2度目の注射をしたらたちまち呼吸困難や下血を起こして死んだことから、「防御の反対」という意味で名づけられました。
アナフィラキシーはほ乳動物のすべてに突然起こりえます。
人間では、スズメバチの毒や、そば、卵などで起こりやすいです。
そして、薬でも数多くの死者が出ています。
薬というのは、「肝腎かなめ」の肝臓や腎臓にも負担をかけます。
薬の働きを善玉と悪玉に分けて、たとえば熱が下がったら「効いた」と喜び、頭がボーっとしたら「副作用が出た」と顔をしかめるのが一般的です。
でも「薬が体に引き起こす不自然な作用」という意味では、効能も副作用も、どちらも同じ「薬理作用」で、体にとってはいい迷惑です。
肝臓の働きは、体に入った物質の分解で、有害なものは解毒します。
薬がしょっちゅう流れ込むと肝臓は過労になり、解毒作業が追いつかなくなります。
腎臓も同じことです。腎臓は血液がろ過されて、不要なものや異物が尿と一緒に排出されます。
大量の薬も排出しないといけませんので、腎臓は過労となり、この血液浄化パワーも弱ってしまいます。
また、すべての薬は、腸内環境やホルモンなどの体内バランスを乱します。
痛みなどのつらい症状を、一時的にでもうやむやにしてくれるだけなら、薬は便利でありがたいものです。
しかし、その代償があまりに大きいのです。
要するに、薬は体にとって異物です。
それなのに、医者はすぐに薬を処方し、どんどん薬が増え続け、薬漬けになってしまっている人が本当に多いです。
安易には薬(化学薬品)に頼らないようにしましょう(^^)
(有野台薬品・漢方健康薬剤師 井上満弘)