だいぶ冷えるようになってきましたね。
これから本格的にもっと冷え込んできますので、体を冷やさないようくれぐれもご注意ください。
今回は、「冷え」について書いてみます。
動物や植物の四季の変化をみると、
温かい季節には「陽気」を活発に動かし、寒い季節には「陽気」を内側にしまって無駄遣いをしないようにしています。
私たち人間も、「陽気」を守ることが重要になります。
「陽気」とは、温かい気のことであり、体を温める力があります。
「陽気」の最大の敵は「冷やす」こと。
日頃から体を冷やしていないか、チェックしてみましょう。
冷えの防止策として、まずは、服装です。
現代人には薄着好みの人が多いですね。
特に、体質改善にと、薄着を奨励する傾向は困りものです。
体を動かして温かくなっている時は、薄着でも構いませんが、
体を動かしていない時には、きちんと服を着て、「陽気」を逃がさないようにすべきです。
運動選手などは、ちょっとした休憩でもすぐ上着を着て保温をしますよね。
このように、運動と着るもので、「陽気」の量を調整しましょう。
とはいっても、厚着をする必要があるとはかぎりません。
体には、襟元(首回り)、脇の下、肘、ウエスト(おへその周り)、股関節(脚の付け根)、膝の裏側、足首など、
特に「熱」を逃がしやすい場所があります。
こうした場所を被ってさえいれば、薄い生地の服でも「陽気」を守ることができます。
襟付きのもの、袖ぐりやウエストが締まって密着するものなど、
ちょっとしたポイントを抑えるだけで、「熱」が逃げにくくなり、温かく過ごすことができます。
冷え症を訴える人が、胸元や袖元の大きく開いた服やミニスカートでいるのを見かけますが、
これでは「熱」は逃げ放題で、冷え症にならないほうが不思議です。
若い人は「熱」の産生も盛んですから、このような格好でも寒さを感じないかもしれません。
しかし、若さにまかせて「陽気」を逃がしていると、年をとってからいろいろな障害に悩まされてしまいます。
外部から冷やすことだけでなく、冷たい飲み物、アイスクリームなどの氷菓子、生ものなどを食べたり飲んだりすることで、
内側から「陽気」を攻撃することにも注意が必要です。
外部からの攻撃よりもむしろ、このほうが痛手は大きいかもしれません。
夏野菜や夏の果物、緑茶のほか、生ビールやアイスコーヒー、アイスクリームなど、体を冷やす性質をもつ飲食物を、一年中習慣的にとることが避けたいものです。
健康に暮らすためには、このような「陽気」を損なうことに注意を払うとともに、
さらに「陽気」を増やす積極的な姿勢をもつこと。
そのためには、明るい気分で過ごし、適度な運動をすること。
これが、「熱」の貯金を増やすことにつながります(^^)
(有野台薬品・漢方健康薬剤師 井上満弘)