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胃酸を抑える薬による害とは?

 

 

プロトンポンプ阻害薬やH2ブロッカーと呼ばれる胃酸を抑える薬は、

 

最近ではすぐに処方される傾向にあります。

 

 

お客様にお薬手帳を見せていただくと、

 

かなりの確率で飲んでおられる方が多いです。

 

ラベプラゾール、ランソプラゾール、タケプロン、タケキャブ、ネキシウム、オメプラゾール、ガスター、ファモチジン、シメチジン、ザンタック、ラニチジンなどのお薬です。

 

 

通常は8週間までの投与となっていますが、

ず~っと処方され続けている方が非常に多いです。

 

 

こういった胃酸の分泌を抑える薬を飲み続けることには、かなりの害があると言えます。

 

 

胃酸は、体内で非常に大切な働きをしています。

 

 

強い酸によって、食物を消化するだけでなく、口から入ってきたウイルスや細菌などの病原体を殺菌消毒してくれています。

 

なので、胃酸が減ると、この働きが弱まるため、ウイルス感染や食中毒などを起こしやすくなります。

 

実際に、胃酸の分泌を抑える薬を使用している人は、

食中毒を起こし重篤な消化管感染症を起こすリスクが高いことが、イギリスで行われた56万人規模の大きな調査で分かっています。

 

 

 

また、タンパク質や脂質を分解する酵素は胃酸によって活性化するので、

 

胃酸が少ないと、タンパク質や脂質がスムーズに分解できなくなって、未消化物が増えます

そのため、胃酸が少なくなると肉や揚げ物を食べるともたれやすくなるのです。

 

それだけでなく、未消化物が増えることでアレルギー症状も起こしやすくなります。

 

多くのミネラル(カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄など)は、タンパク質と結合して体に取りこまれるので、タンパク質が消化できないとミネラル不足を招きます。

 

 

さらに、脂質が円滑に消化されないと、脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E)も不足することになります。

 

特に亜鉛は、胃酸の分泌に必ず必要なので、その不足によって、さらに胃酸分泌が減って悪循環に陥ります。

 

胃酸が少なくなると、こうしてミネラルやビタミンが不足するので、骨量の低下や発作性心疾患の増加をもたらすことが指摘されています。

 

 

オランダのグループによる研究では、胃酸抑制薬の服用が、精子の質や運動能力にも悪影響を及ぼすことが指摘されています。

その他、胃酸抑制薬を2年以上服用すると、鉄欠乏症のリスクが高まることも報告されています。

 

 

胃酸が少ない状態が続くと、栄養が障害されるだけでなく、未消化物が腸に届き、それらが腐敗してガスが発生したり、発ガン物質に変化したりします。

当然、腸内細菌のバランスもくずれます

 

 

その結果、リスクが高まる病気として、ぜんそく、アトピー性皮膚炎、シェーグレン症候群、甲状腺疾患、全身性エリテマトーデス、セリアック病などが挙げられます。

 

さらには、ミネラルやアミノ酸の不足によって、精神面も不安定になります。

 

また、胃酸抑制薬を多用している人には、胃ガンも多く見られます。

スウェーデンの大規模調査で報告されています。

 

 

プロトンポンプ阻害薬が、末期腎不全を進行させるという論文も発表されています。

 

2016年にはAHA(アメリカ心臓協会学術集会)で、デンマークの24万人を超えるデータをもとに解析したところ、高用量の服用により、脳梗塞のリスクが90%も増えることが報告されています。

 

その他、心筋梗塞やアルツハイマーのリスクを高めることも報告されています。

 

 

胃酸は必要だから分泌されています

 

安易に薬で抑え続けることはよくありません

 

 

当店では、漢方・天然薬で胃腸の機能を高めること食事や生活習慣の改善をおすすめします。

 

 

 

(有野台薬品・漢方薬剤師 井上満弘)