私たちは生きていく上で、適量の酸素が必要です。
でも、日常生活の中で無意識に呼吸をしていると、
体の上部だけの浅い呼吸(胸式呼吸)になってしまい、酸素不足による体調不良が出てきます。
酸素摂取量が少なくなれば、末梢の血流も悪くなり、
例えば、頭痛、肩こり、めまい、しびれなども起こりやすくなってきます。
それだけでなく、酸素不足が常に続いていると、
寿命を縮める最大要因にもなってしまいます。
生きていくために必要な酸素が少ないわけですから当然です。
ですから、私たちは意識して深く大きな呼吸をしなければならないわけなのです。
★意識して深い呼吸をしなければならない理由
①精神的緊張時、集中時などは酸素補給量が不足してしまうため
精神的緊張をしている時や集中している時は、呼吸が小さくなり酸素補給量が小さくなります。
現代の生活は、頭を使うことが多く呼吸が浅くなりやすいです。
「息をつめて考え込む」という行動は、酸素の補給が少なくなり、さらに酸素の消費は大量に増えます。
②空気中の酸素量は天気・季節によって異なるため
空気中の酸素の量は天気や季節により常に変動しています。
湿度が高くなると、酸素量は少なくなります。
また、温度が高い時も酸素量は少なくなりますし、気圧が低い時も酸素量は少なくなります。
なので、梅雨時は特に酸素量が少なります。
雨の日や曇りの日は、憂うつになったり仕事の能率も落ちミスが出やすかったりするのも、酸素不足が原因の一つと言えるでしょう。
③空気中の酸素量は環境・場所によって異なるため
今は昔の家と違って、すきま風の入らない密封構造になっています。
この中で炊事したり、暖房したりすると酸素不足の状態となります。
常に換気に気をつけることが大事です。
また、ビルの中は空気の換気率が20~40%と低いために、
ビルの中で仕事をしている人などは、午後になると酸素が不足し、頭痛がしたり思考が低下したりしてしまいます。
④体つき(胸郭の大きさ)によっても酸素補給量が異なるため
人間は、肺自体に膨らんだり縮んだりする能力はなく、
肺を取り巻く胸郭と横隔膜が動くことによって呼吸をしています。
しかし、胸郭の大きさというのは生まれつきのもので、
生まれつき大きく開く人と小さくしか開かない人がいます。
胸郭が小さくしか開かない人は、胸を張り姿勢を正すことで、
胸郭の狭さを補えます。
そして、意識して呼吸を行うことが大事です。
胸郭が大きい人は、もともと呼吸をしやすい人です。
無茶をしてもすぐには病気になりにくいのですが、
調子に乗って無茶をしすぎていると痛い目に遭ってしまいますので、ご注意ください。
以上のような理由がありますので、
意識して深く大きな呼吸を心がけましょう。
腹式呼吸がおすすめです。
腹式呼吸はいつでもどこでもできます。
やり方はいたって簡単です。
まずは10秒くらいかけて、鼻や口からゆっくりと息を吐いていきます。
その時に、お腹をへこますことを意識してください。
息を吐き切ったら、自然に鼻から息を吸います。
これで1サイクルです。
あとはこれを繰り返すだけです。
慣れれば、吐く時間を少しずつ長くしていくと、より効果的です。
酸素補給量がアップし、さらに「交感神経」緊張から「副交感神経」優位にシフトし、全身の血管が開かれ、体はリラックスします。
特にこれから梅雨にかけての時期は、空気中の酸素量は少なくなりますので、
しっかり意識して呼吸をしてくださいね(^^)
(有野台薬品 井上満弘)