インフルエンザが非常に流行っていますね。
昔はインフルエンザの薬というのはなかったですが、
今の時代は、病院に行ってインフルエンザの薬を使わなければいけないという風潮になってしまっていますね。
去年、インフルエンザの新しい治療薬「ゾフルーザ」が発売されました。
錠剤を1回服用するだけで済む、画期的な治療薬です。
現在、国内で承認されていて、日常的な診療に使われているインフルエンザ治療薬は計5種類あります。
ゾフルーザ以外は、タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタです。
ゾフルーザが登場する前からあった、タミフルなどの4つの治療薬は、ウイルスが細胞から出て周囲に広がるのを防ぐことで、ウイルスの増殖を抑えるという仕組みです。
これに対してゾフルーザは、感染した人の細胞に入り込んだインフルウイルスが増殖するときの働きを阻害する仕組みです。
このため、仮にタミフルなどが効かない新型ウイルスが登場した場合でも使える、という利点はあります。
でも、この画期的な新薬に慎重な意見をする専門家も結構おられました。
1回の服用で済むということは、それだけ体の中に残る時間が長いということでもあります。
万一、重大な副作用が生じた場合に、なかなか薬が抜けることができず、症状の改善がしにくい恐れもあるのです。
また別の大きな問題はゾフルーザの使用によって、耐性ウイルスが出る可能性についてです。
つい先日、「ゾフルーザ」を服用した横浜市の患者2人から、薬が効きにくい耐性ウイルスを初めて検出したと、国立感染症研究所が発表しました。
早くも耐性ウイルスが出現されてしまったわけです。
発売前の試験データから、ほかのインフルエンザ治療薬と比べ、耐性ウイルスがかなり出現しやすいことは指摘されていました。
ゾフルーザの臨床試験では、子どものA型インフルエンザ患者の23・3%で、ウイルスに耐性を示す遺伝子変異が認められ、
成人対象の臨床試験でも9・7%が認められたとのことです。
一方、タミフルやラピアクタは1~2%とされています。
かなりの差がありますね。
耐性ウイルスが広がっていくと、薬の効果は薄れていってしまいます。
→朝日新聞「インフル治療に新薬ゾフルーザ 専門医が慎重なワケは」
薬の使い過ぎは、重大な副作用を招いたり、耐性ウイルスが出現したりしてしまいます。
抗生物質の使い過ぎが問題になりましたが、
今度はインフルエンザ薬の使い過ぎが問題になってくるかもしれないですね。
予防接種をしていても、インフルエンザにかかっている人も非常に多いですね。
なるべくインフルエンザにかからない、
なるべく薬に頼らずにすむ普段からの体づくり、養生が大切ですね。
漢方は「未病」が得意分野です。
「未病」に取り組みましょう。
(有野台薬品 井上満弘)