前回は、
カルシウム量は40代を過ぎれば急激に減り始め、
骨粗しょう症の自覚はないまま、50代、60代で骨折したり、背中が丸くなったり身長が低くなって気付くことになる
というお話を書きました。
加齢とともに骨を作る力が衰えるのは否めませんが、実は骨も新陳代謝をしています。
正常なら約5か月で生まれ変わり、全身の骨が生まれ変わるのは3年程度です。
良い運動習慣、良い食生活、良い漢方やサプリで、いくつになっても骨は丈夫にできます。
では、骨を丈夫にするためにはどうすれよいか?
を書いていきます。
① 骨に衝撃を与える運動をする
骨に衝撃を加えると、骨量が増えるということがわかっています。
骨の中に潜んでいて全身に数百億個あるとされる骨細胞が「衝撃センサー」の役割を担っていて、骨への衝撃を感知すると、「骨をつくるのをやめよう!」というブレーキ役のメッセージ物質を減らし、代わりに「骨をつくって!」というアクセル役のメッセージ物質を発してくれるのです。
つまり、私たちが活動的に運動をして骨への衝撃を加えていれば、骨量を増やしてくれるわけなのです。
1日30分のジャンプ運動を週3回、1年間継続してもらい、骨に衝撃を与え続ける実験を行うと、参加した19人のうち18人で骨量が増加していたそうです。
また、過去2年以上、週に6時間以上ランニングあるいは自転車運動をしている20~50歳代の男性の骨量を調査したところ、骨量が低い「骨粗しょう症予備軍」とされる人の割合は、ランニングをしているグループでは全体の19%だったそうです。
一方、自転車運動をしているグループでは、なんと63%が骨量が低い「骨粗しょう症予備軍」だったのです。
ランニングと自転車運動の違いは、骨に衝撃がかかるかどうかです。
もちろん、何も運動をしていない人たちに比べれば、自転車に乗って健康維持に努めている人のほうが骨量は高いと考えられますが、やはり骨への衝撃が少なければ骨量は減少してしまうということなのです。
でも、なかなかジャンプ運動やランニングはできへんでという人は、ウォーキングでも構わないですし、もっと簡単にできるのが「かかと落とし」です。
要は、足を動かして骨に衝撃を与えることです。
② バランスの良い食事を心がける
骨づくりの鍵になる栄養素は、カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、マグネシウム、亜鉛、タンパク質などです。
なんといってもカルシウムが必要ですが、カルシウムだけではダメなんです。
これらの栄養素をバランスよく摂るように心がけましょう。
<参照>骨を強くする食事
骨粗しょう症の薬を飲んでいる方も非常に多いと思いますが、実は骨粗しょう症を薬を飲んでいたらそれで大丈夫というわけではないのです。
次回は、骨粗しょう症の薬についても書いていきます。
(有野台薬品 井上満弘)