最近、医師自身が現代医療に疑問を投げかける本などが非常に多く出ているような気がします。 51万部のベストセラーになっているという「医者に殺されない47の心得」という本は、著者の近藤誠医師が現代医療の悪いところを批判しておられます。内海聡医師が書いた「精神科は今日も、やりたい放題」という本も現代の精神医療を痛烈に批判しておられます。
近藤医師は、「一度に3種類以上の薬を出す医者を信用するな」「軽い風邪で抗生物質を出す医者を信用するな」『「医者から薬をもらう」を習慣にしてはいけない』いうようなどぎつい心得を書いておられます。
内海医師は、「精神病薬では根本的に何も解決しない」「癒着の深い精神科業界であるから、製薬会社と精神医療が儲かるように診断基準が設定されている」「精神病薬は短期的には有効性が認められたとしても、長期的には害を及ぼすものであることが近年ますます明らかになってきた」「世界では先行して精神科への訴訟が増えている。特に多剤薬物療法については、今後集団訴訟となる可能性が高いかもしれない」「問題はその治療行為があまりにも成功率が低い上に、もし良くなってもそれは見せかけ上で、薬に依存させられ永久的に患者として薬を飲んでいくよう仕立てられているという、儲け第一主義の現実なのである」というようなどぎついことを書いておられます。 精神病薬はすべての種類が抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬、抗パーキンソン病薬、気分調節薬の6種類なのですが、内海先生の調査データによると、7剤以上の薬が出されているケースが18%以上あり、約70%が3~4剤以上出されているとのことです。どんどん薬が増えていき薬漬けにされているがちっとも治ってはいないという現状があるとのことです。
お二人の医師とも、医師としての今までの体験から現代医療を批判されていますが、私も大学卒業後、調剤薬局に数年勤めていた時に現代医療に非常に疑問を感じましたし、薬剤師としての非力さを痛感しました。非常にたくさんの種類の化学薬品が医師から漫然と処方され、どんどん増え続けていく現状を目の当たりにしました。
現代医療や西洋医学にも素晴らしいところもありますし、東洋医学や伝統医学にも素晴らしいところがあります。お互いの素晴らしいところで補え合い、一面のみから見るのではなく多面的に見ることができ、そこに心が通えば、素晴らしい医療になるのでは、と思います。 (井上満弘)
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