へバーデン結節とは、手の指の第一関節(爪のすぐ下の関節)が太く変形したり、
コブのような骨の隆起(結節)が見られる症状のことです。
関節が赤く腫れたり、水ぶくれができることもあります。
最初は指の一本から始まり、10年から15年位で両手の指先の第一関節全部が変形してしまうのが一般的な症状の経過です。
見た目もとてもショックが大きい病気です。
へバーデン結節は30代でも見られますが、多くの場合、40歳以降の女性に圧倒的に多く見られます。
「ヘバーデン」という症名はイギリスの内科医の名前で、この病気を初めて報告したことから「ヘバーデン結節」と呼ばれるようになりました。
急性の場合は、腫れ(炎症)とともに痛みがありますが、半年から一年位で自然と治り、安心していると、今度は他の指に次々と同じような痛みと変形が起こる進行性の病気です。
慢性的な場合は、症状がゆっくりと進むので痛みも少なく気が付かない人が多いですが、変形の初期や炎症期には痛みを伴う場合が多く、病院に行っても原因不明とされ、治療法も確立されていないのが現状です。
そのため、多くの人がそのまま放置してしまい症状が進行して、「指先が横に曲がる」などの著しい変化が起こる場合はあります。
多くの場合、10年から15年位の間に全部の指が変形・進行していき、
固まってしまうと痛みはなくなります。
ヘバーデン結節の原因としては、
膠原病(自己免疫疾患)であるとも考えられていますし、
40代以降の女性に多いことから、女性ホルモンの減少も原因の一つと考えられています。
女性ホルモンだけでは起こる人と起こらない人に分かれますので、
膠原病(自己免疫疾患)と女性ホルモンの減少が重なって発症すると考えられます。
また、手先の冷え、血行不良も原因の一つだと言えますし、
指をよく使う仕事の人にも多いことから、
指の関節に負担がかかることも原因の一つだと言えます。
進行が進み指が固まってしまうとなかなか難しいですが、
早いうちでしたら、漢方で効果が出ています。
指の関節に炎症が起こるということは、
膝や腰などの関節にも将来的には炎症が起こり、
運動器の障害が起こる可能性は充分にあります。
早い段階の未病のうちに
対処しておくことが大切です。
気になる方は、お気軽にご相談ください。
(有野台薬品 井上満弘)